相模原の行政書士安達弘樹のブログ

相模原市で独立開業中の行政書士安達弘樹のブログです。

農業生産法人って何?(その2)

こんばんは。

安達です。

 

以前、農業生産法人について、簡単に説明したことがありますが、

今回その要件の続きを書こうと思います。

 

農業生産法人の要件には、

1.法人要件

2.事業要件

3.構成員要件

4.業務執行役員要件

という4つの要件が必要です。

農業生産法人の概要と1の法人要件はこちらを参照ください。

農業生産法人って何? - 行政書士安達弘樹のブログ

 

法人要件を備えても、農業生産法人として農地を購入したりするには、

2~4の要件を具備する必要があります。

 

事業要件

農業生産法人である以上、農業またはその農業に関連する事業を行うことが

前提となります。

会社法人の場合、一定の売上範囲であれば、農業以外の事業を行うことも

可能です。即ち、主たる事業として、農業またはその農業に関連する事業

農業と併せて行う林業が売上の過半を占めていなければなりません。

主たる事業の売上は、直近3カ年の売上高で判断します。

ここで、農業に関連する事業とは、その法人の行う農業と一次的な関連を持ち、

農業生産の安定発展に役立つものでなくてはなりません。

具体的には、その法人自体が生産した農作物を使用したレストラン事業

加工品の流通販売、農作業体験施設の運営などがこれにあたりますが、

もっぱら他の農家の生産した農作物を仕入れて流通販売する場合などは

これに含まれません。

売上の1/2までは、農業以外の事業を行うことも可能です。

 

◆構成員要件

農業生産法人の場合、その構成員(出資者)は次のいずれかに該当している

必要があります。

会社法

① 農地等を提供した個人

② 常時従事者(原則年間150日以上)

地方公共団体農地保有合理化法人農業協同組合農業協同組合連合会

④ 農作業を法人へ委託している個人

⑤ 継続的取引関係を持つ個人・法人(総議決権の1/4以下)

農事組合法人

① 農地の提供者

② 常時従事者(原則年間150日以上)

農地保有合理化法人農業協同組合農業協同組合連合会

④ 該農事組合法人からその物資の供給若しくは役務の提供を受ける者(個人)

 又はその事業の円滑化に寄与する者(総組合員数の1/3以下)

 

◆業務執行役員要件

業務執行役員とは、会社法人であれば取締役、農事組合法人であれば理事が

これに該当します。

耕作者主義の観点から、農業(農業関連事業含む)に常時従事する構成員が

業務執行役員の過半を占め、さらにその過半が農作業に一定日数(原則60日

以上)従事しなければならないとされています。

例:役員が8人の法人の場合

①農作業従事者→3人

②農業関連事業従事者(加工業務や営業など)→2人

③農業以外の事業従事者→3人

上記の場合、農業の常時従事者(①+②)が役員全体(①+②+③)の過半を

占め、農作業従事者(①)が農業常時従事者(①+②)の過半を占めるので、

要件充足。

 

このように、農業生産法人の場合、法人要件以外にも農業を主たる事業とする

ための体制作りが要件となっています。

上記要件には例外もあるのでご注意ください。

また、農業生産法人設立の際は本拠とする自治体の農業委員会と十分に協議を

する必要がありますので、まずは各自治体の農業委員会へご相談してください。

 

当事務所では、農業生産法人の設立のお手伝いもいたします。

お気軽にお問合せください。

行政書士安達法務事務所 | 神奈川エリアの遺言・相続・成年後見専門行政書士

 

昨日は十三夜でしたが雲に月が隠れ気味でした。

今日は月が現れそうです。